石川県 / スポーツビジネスコーチ / 日本スポーツコンサルタント協会
前田佳奈
突然ですが、もしもあなたが、
専門知識を深め、資格取得に時間やお金を費やしているのにも関わらず、会員が増えていないのだとしたら、あなたは大きな勘違いをしています。
私がバレーボールスクールを立ち上げた頃、良い指導(良い商品・サービス)であれば、そしてすばらしい専門知識や資格があれば「自然と人は集まってくる」と思い込んでいました。
また、すばらしい専門知識や資格がなければ人は集まらないとも思っていました。
なので私は、メンタルトレーニングやコーチングの学びを深め、バレーボール指導を学びました。
確かに、この時の学びが今のスクールを支え、何より私の「自信」となったのは言うまでもないですし、「教えることは学ぶこと」だと思うので、私は今後も学び続けることになるでしょう。
しかし、私が最初にすべきことは、専門スキルを極めることではなかったのです!
顧客志向と商品志向
あなたも起業当初の私と同じように、
・良い指導(サービス)でなければ人は集まらない
・すばらしい専門知識や資格がなければ信頼されない
そう思っているとしたら、このブログにたどり着いてくださって本当に良かったと思います。
こうした考えは『商品志向』といいます。
もちろん、商品志向が悪いのではありません。
むしろ、「他より良い指導(サービス)を提供したい」「高い専門スキルを提供したい」という気持ちのあらわれだと思いますから、素晴らしいことです!
しかし、この考えには大事なあるものが抜けています。
それは「お客さま」です。
クラブでいうところの「会員」「保護者」「選手」のことを何も理解していない場合が多いのです。
例えば私が、
メンタルトレーニングとコーチングはどう違うのか?
コーチングとティーチングはどう違うのか?
そんなことを並べたとしても、親や子どもは知りませんし、興味もないと思います。
スクールのヘッドコーチである夫は、実業団チームでのコーチ経験もあり、様々なカテゴリのバレーを研究していますが、そんなレベルの高い話を親や選手にしても、きっとチンプンカンプン。
興味があるのは、同業の勉強熱心なバレー指導者ぐらいでしょうか。笑
そこに惹かれて会員が集まるのではない、ということをまずは理解しなくてはいけません。
お客様が本当に求めているものは何か?
私がこのことに気づき、まず考えたのは「お客様とは誰のことか?」です。
多くのクラブ経営者は、子どもたちや保護者を「お客様」だと思ってもいないのですが、お金を払うのは保護者(親)です。
会費が無料のクラブだとしても、送迎や活動費には、目に見えない多くのお金や時間がかかっています。
なので、まず考えるべきなのは
「お客さまである保護者が、本当に求めているものは何か?」
ということです。
親が求めているもの・・・
それはほとんどの場合、子どもの成長だったり子どもの楽しむ姿や喜ぶ姿、子どもが興味をもって始めたバレーボールの可能性を少しでも伸ばしてあげたいという想いでしょう。
そして多くの子どもたちが求めるものは、
何もプロフェッショナルなコーチから高度な指導を受けたいのではなく、
「もっと上手になりたい!」
「もっとバレーがしたい!」
といった純粋な想いでクラブに通っている子が多いのです。
そこで私は、親や選手が喜ぶことを考え、提供し、嫌がることを止めました。
このように『顧客志向』で考えるようになってから、
・私たちが好きなこと
・私たちがやりたいこと
・私たちが持っているもの
これをただ提供するのではなく、
お客様が求めていることは何か?お客様の悩みを解決するために、私たちにできることは何か?
を追求していくうちに、人が集まってくるようになったのです。
『お客様が「本当に」求めていることは何か?』
せっかくの機会ですから、今一度、考えてみてくださいね。