From 前田佳奈
バレーボールクラブのほとんどは「生徒集め」に課題を抱えています。
その理由は明確で、私たちクラブ経営者のほとんどは「現場指導者」なので、バレーの知識や経験はあっても、集客やマーケティングの知識が乏しいですもんね。
だから、、、
- 指導力があるコーチなのに生徒が少ない
- 輝かしい実績を持っているのに生徒が少ない
- 元Vリーガーのコーチがいるのに生徒が少ない
ということが平気で起こるんです。
・・・悔しいですよね。
だって、成績を残すとか大学にバレー推薦で入るって、並大抵の努力じゃ叶わないし、ましてやVリーガーなんて、なんとなくバレーしててなれるものではありません。
そこに達するまでに、数々の経験、辛い時も乗り越えてきたはずで、そんな経験を次世代の子どもたちに伝えたい!貢献したい!恩返ししたい!という思いで指導者の道を選んだんですから、いろんな意味でもっと評価されるべきです。
でも、生徒集めとなると別の話。
実績・指導力ある指導者・クラブが選ばれるか?というと、別問題なんです。
ということで今日は、どんな指導者・クラブが選ばれるのか?
ライバルより人気のクラブにするための差別化戦略についてお伝えします。
差別化って何?
「差別化」ってよく聞く言葉だと思いますし、もしかするとあなたも使っているかもしれませんが、けっこう曖昧な言葉だと思いませんか?
差別化って、結局、何をすること?
他のチームとの「違い」をつくること?
・・・違いって何だ?
私は最初、こんな感じでした。
説明してと言われたら、正直よくわからない。なんとなく思いつくのは「ライバルより価格を安くすること」「ライバルのやっていない指導法を取り入れること」という感じです。
でも、価格競争をするとクラブはいつか疲弊します。大金持ちじゃない限り、ずっと無料で提供はできないですよね。
ライバルがやっていない指導法を取り入れても、それを他のライバルが真似することも考えられます。
では、何で差別化をすればいいのでしょうか?
ライバルより高い「価値」を提供する
私たちバレーボールクラブは、お客さん(生徒・保護者)にとっての価値を提供して、対価となる会費をいただいています。
まずは、ライバルではなく自分のクラブを選んでもらう必要がありますよね。
そのために差別化を図るわけですが、ただ違いを出せばいいか?というとそうではありません。
お客さん(生徒・保護者)にとって、ライバルより高い価値を提供すること。その提供する「価値」の差で差別化する。
お客さんにとって、どこのクラブよりも高い価値を提供する。そうすれば、お客さんは間違いなく、ライバルよりあなたのクラブを選んでくれるはずです。
お客さんにとっての「価値」とは?
お客さんにとっての「価値」で違いを出す、ということはわかりましたが、じゃぁ次に出てくる疑問は、価値ってなんだ?です。(はぁ〜、日本語むずい)
マーケティングを学ぶと、必ず語られるのがこれ。
顧客はドリルが欲しいのではない。そのドリルで開ける「穴」が欲しくてドリルを買うのだ。だから、ドリルを売るなら「穴」を売れ。
ここで語られる「穴」が、価値であり、顧客が欲しいベネフィット。
例えば、あるバレーボールコーチがフィットネスジムに通う理由を考えるとしましょう。
ジムにあるマシンを使いたくて彼はそのジムに行くわけではない。そのマシンを使うことで手に入る「筋肉」が欲しいのだ。
いや、そもそも「筋肉」が欲しいのではない。指導している選手たちに自らも「努力している姿を見せたい」のだ。
いやいや、そんなのは建前だ。コーチジャージを着た時に「カッコよく」着こなせたり、相手チームの指導者より「強く、カッコよく見せたい」のだ。
となる。(私の身近な人の場合。笑)
このバレーボールコーチが、悩みを解決してベネフィットを手に入れるために「どこのジムに通おうかな?」と考えた時、
何を基準に選ぶのか?どんな価値を求めて選ぶのか?が差別化で、それは3つに分かれると言われています。
3つの差別化戦略
差別化戦略は3つに分類されると言われています。
これは「ビジネスの軸」とも言われていて、私たちがクラブを経営する際に、どの軸で勝負するのか?を決めなければ、お客さんに価値として伝わりにくくなってしまいます。
【1つ目の軸】お手軽・安い・便利
近いところで、早くて安くて便利・・・つまりコンビニやファストフード、100均、100円寿司、牛丼チェーン店、ドラッグストアなどですね。
味のクオリティや品質はそこそこで、近い安い早い便利という理由で行くので、お客さんも満足します。
この軸で、私たちバレーボールクラブがライバルと差別化しようと思った時、どこよりも安い価格で、しかも会場がたくさんあって通いやすく、そこそこの指導力が必要です。
となると、どの地域に住んでいる人でも家から5分以内に通える場所には必ずあるとか、そのレベルでないといけません。(現実的には不可能かな、、)
【2つ目の軸】最新技術・最高品質
次は、商品やサービスの品質で差別化するもの。価格は高くても、とにかく良いサービス、良い品物を提供する。プロフェッショナルです。
お客さんも高品質を求めているので、高くても、遠くても、遅くても、文句は言いません。まさに高級レストランや会員制のお店ですね。
この軸で差別化するなら、他が真似できないようなこだわりが必要ですし、最新の技術で、価格もライバルの5倍、いや10倍は上げなければいけません。
客数は多くはなく、客単価が高いということになります。
【3つ目の軸】密着・関係性
3つ目の軸は、お客さんと密着して関係性を良くすることで差別化を図るもの。
気心知れた、いつものお店。
「薄味にしておいたよ!」「はい、いつもの味噌汁ね!」など、お客さんのことをよく知っていて、好みの味付けをしてくれたり、サービスをしてくれたりする。
信頼できる相手だから、お客さんもつい個人的な話や相談をしたり、「はい、お土産!」などとお客さんの方が土産を持って来店したりもする。
そういうお客さんとの関係性で、ライバルとの差別化を図るものです。
お客さんを第一に考えるので、もちろんサービス内容は「お客さんの悩みを解決するもの」になりますね。
バレーボールクラブの場合、指導者のこだわりや理想の指導論を押し付けるのではなく、あくまで目の前の生徒の悩みを解決する指導でなければいけませんし、
保護者とのコミュニケーションは、相手に寄り添える優秀な営業マンのようでなければいけません。
どの軸を選ぶ?
ライバルと差別化しようと考えた時、3つの軸のどれを選ぶのかを考えることになります。
あれもこれもといった中途半端な状態では差別化にはならないですし、お客さんにとって価値がわかりにくくなってしまいますからね。
おそらくほとんどのクラブが、【3つ目の軸:顧客との関係性】を選ぶのではないでしょうか。
私も自分のクラブでは、3つ目の軸を選んでいますが・・・たまにブレてしまいます。
自分のやりたいこと、やりたい指導を優先してしまったり、お客さんに寄り添った対応ができていなかったり。
どの軸を選んでも、選んだ瞬間に叶うわけではありません。
- 日々の練習、指導内容
- 会員さんとのコミュニケーション
- バレーボール教室などのイベント
- チラシやWeb広告
- SNSやブログの発信内容
- etc…
一つ一つの行動の積み重ねで、成り立つものだと思っています。
人のために尽くす。人が喜ぶことをする。人が嫌がることをしない。
当たり前のことになってしまいますが、人間関係を良好にするにはやっぱりここを意識しないと、ですよね。
そうすることで、会員さんからも感謝される、選ばれるクラブになっていくのだと思います。
ということで今日は、ライバルより人気のクラブにするための差別化戦略についてお伝えしました。今後の活動のヒントになれば幸いです!
それでは今日はこのへんで。
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