From 前田佳奈

バレーボールクラブをやっていく上で一番の悩みは「新しい生徒をどう集めるか」ですが、次の悩みは「辞める人をどう減らすか」でしょう。

どれだけ集客できたとしても、入った人がすぐに辞めてしまっては、収入も増えずクラブ経営は続かないですからね。

あなたにも、お風呂の栓をするのを忘れて、湯沸かしをしていた経験はありませんか?(私は何度かあってショック。)

せっかくお湯を入れているのに、あんなに小さい穴があるだけで、いつまで経ってもお湯がたまらない。

なんて、もったいないことをしてしまったんだ!

これがお風呂のお湯だったら、笑い話?で終わるのですが、クラブ経営においても同じことが起きてしまうのです。

せっかくコスト(お金と時間)をかけて新規の会員さんを増やしても、毎月のように辞める人が出ていては、かけたコストが無駄になってしまいますよね。

とても大事なことなのに、私自身も集客をテーマにした記事ばかり書いてしまっていたと反省。。。

ということで今日は「バレーボールクラブの退会率を下げるポイント」について書いていきます!

そもそも退会率とは

「退会者」と「退会率」似ているようで違う言葉です。退会者は◯人、退会率は◯%となります。

私たちのように、会員さんに定額の料金(月会費)をお支払いいただいて、サービスを継続的に利用してもらうビジネスモデルのことを「サブスクリプション」と言いますが、

どんなに質の高いサービスであっても、退会者が一切出ないということはなく、一定数の退会者が出てしまうことは頭に置いておかなければいけません。

もしもあなたが「小学生」を対象としているのでしたら、6年生の3月には卒業するでしょうし、「中学生」を対象としているのなら中学3年の3月には卒業となりますので、やはり退会者が出る前提で考えないといけませんね。

退会率(チャーンレート)の計算方法

退会者が一定期間内にどれくらいの割合で発生するかを計算します。

退会率 = ある期間に退会した会員数 ÷ ある期間の会員総数 × 100

(新規の会員数は含みません)

例えば、月初めの会員数が50人いたとします。月末には5人辞めて45人になっていたとしたら(新規会員数は含まずに計算します)

5÷50×100=10%

次の月、月初めの会員数が47人いたとして(前月2人新規がいたということ)、月末には1人辞めて46人になっていたとしたら・・・

1÷47×100=2.1%

こういう計算になります。退会率を毎月計算していると、どの時期に退会率が高くなるのかがわかってくるので、対策を考えることができます。

うちの中学生スクールの場合、6月・7月に退会率が高くなっていて、そのほとんどが「中学3年生」でした。理由は受験勉強に専念するためが一番で、部活を引退したことで目標がなくなった、モチベーションが下がってしまったが二番目。

そこで翌年は、6月〜7月にかけて「強化合宿」を企画し、今の課題は何か、高校に向けての目標設定、勉強とバレーをどう両立するかのスケジュールを一緒に立てたのです。

また、他県のクラブチームとの練習試合や大会も参加し、高校に行くまでの約8ヶ月間をどう過ごすのか、問題教育を続けていました。

すると、6月7月の退会率は低くなり、進学校を目指す子以外は3月まで辞めずに続けてくれたのです。

勉強でもバレーでも、大事なのは「傾向と対策」ですよね。課題がわかるから改善できるのです。ということで、退会率を知ることはとても重要です。

退会率を測っていくと、何%以下がいいんだろう?という疑問が出てきますが、業種や規模、ビジネスモデルによって平均値は異なるため、はっきりとした答えはありません。

ただ、私たちバレーボールクラブ・スクールの場合は、練習を頻繁に行うため、お客さん(会員さん)と直接会う回数が多いビジネスモデルです。

なので、なるべく低い退会率を目指したいですね。

退会率を減らす3つのポイント

ここからは、私の経験談を元に、退会率を下げるポイントについてお伝えします。

①生徒・保護者とのコミュニケーションで退会率を下げる

これは一番効果があると痛感していて、退会を希望する方の中には「放っておかれたことへの不満」から、辞めてしまう方がいるのです。

例えば、、、

  • 試合になかなか出してもらえなかった
  • コーチは同じ子ばかり教えて、私はあまり教えてもらえなかった
  • 新規の親には丁寧だけど、私たちは雑に扱われた

こうした不満って、体験に来た方から聞くことがあるんですよね。

バレーボールは、6人しかコートに立てずポジションも違いますし、試合時間が決まっているわけではないので、全員平等なんて不可能です。

全員試合に出すと決めていても、試合展開によっては「サーブ1本打って交代」なんてことも起きてしまいます。

もちろん、選手全員にアドバイスすること、練習で不平等をなくすこと、全員にチャンスを与えることは、良い指導者なら当然心がけていると思いますが、それでも実際の試合になると難しいですよね。

ただし、この不満については、指導者のコミュニケーション不足が一番の原因で、結局のところ選手・保護者に「ちゃんと見てもらえていない(関心がない)」と感じさせてしまったことが問題だと思います。

「最近、◯◯が良くなってきましたね!」

「◯◯がもっと良くなるよう、今は◇◇を中心に指導していきますね!」

「何か悩んでいることはないですか?ご要望はないですか?」

こうしたコミュニケーションをとることで、相手の思いに寄り添った指導ができますし、「コーチもちゃんと考えてくれていたんだな」と理解してもらえることも増えていきます。

②会員同士のコミュニケーションで退会率を下げる

1つ目のポイントは、コーチ(クラブ)と選手・保護者(会員さん)のコミュニケーションを大切にすることでしたが、2つ目は会員同士のコミュニケーションを増やすことで、退会率を下げる方法です。

ここでは、普段の練習でのコミュニケーションではなく、別の機会を作り接点を増やします。例えば・・・

  • 親子バレーボール大会
  • 親子ボーリング大会
  • リレーマラソンに参加
  • BBQ
  • クリーンキャンペーン(ゴミ拾い)
  • 懇親会・食事会など

会員同士が交流できるイベントを企画することで、選手同士が仲良くなっていたり、保護者同士で悩みを相談しあったりするんですよね。

コーチとしても、そういう機会に選手の意外な一面が見えることもありますし、普段あまり話す機会のない保護者の方からいろんな話が聞けることもあって、今後のクラブ経営のヒントになる話も多々あります。

仲良しのメンバーがいるだけで辞めずに続けられることもあるので、交流イベントは本当におすすめです。何より楽しい思い出になりますからね!

③次のレベルを作ってあげることで退会率を下げる

ゲームで「レベル1」をクリアしたら、次は「レベル2」に挑戦したくなりますよね。そろばんで「10級」に合格したら、次は「9級」に合格したくなるんです。

これは私自身も経験があって、小学1年生から習字を習っていて、昇級していくのが楽しくて、最終的に「六段」までいったんですよね。(お習字教室の先生レベル)

これをバレーボールクラブやスクールでも、取り入れることができないか?と考えてみてほしいのです。

「もっと上手になりたい」「もっと高いレベルに挑戦したい」という声に応えるために・・・

  • 練習回数を増やせるコースを作る
  • 初心者コース → 上級者コース
  • 個人レッスンを行う
  • 小学生スクール → 中学生スクールへ
  • 中学生スクール → クラブチームへ

そういうサービスや上のカテゴリーを作っておくことで、継続したくなる仕組みを作り、退会率を下げることができます。

退会率を下げるために大切なこと

いかがでしたでしょうか?

  1. 毎月の退会率を計測する
  2. 退会率の高い月の傾向と対策を考えて実践する
  3. 退会率を下げる3つのポイントを参考に取り入れてみる

ぜひ今月から、試してみてほしいと思います。

そして、もう一つ大切なことを言い忘れました。

退会する人に、親切丁寧に接客しましょう

先日私のクラブで起きた出来事ですが、退会希望の方に今まで以上に丁寧に対応し「お力になれず申し訳ありませんでした」とお伝えしたところ、『実は(本当は)辞めたいわけではないんです』と言われることが2件続きました。

よく話をお聞きすると、学校でうまくいかないことがあったらしく、お母さんも先生から言われた言葉に傷ついて、クラブを辞めようと思ったらしいんですね。

でも本当は、お母さんは辞めさせることが子供の為になるのか悩んでいて、選手本人も本当はバレーを続けたいという内容だったので、一度冷静になって一緒に考える時間を作ったのです。

結果的にお二人とも、やっぱり継続させてほしいと後日連絡がありました。

私は退会希望の方は「引き止めることはしない」と決めていて、それよりも「またいつでも大歓迎ですからね!」と再入会しやすい関係性を作るように、これまで心がけていましたが、

通っていただいた感謝の気持ちや、最後までサポートできなかったことのお詫びなども丁寧にお伝えするようにしたことで、先程のようなことが起こったのかなと思います。

会員さんとのコミュニケーションを大切にすること

今いる会員さんを心から大切にすること

ここに真剣に向き合うことで、退会率が下がったり、口コミが広がって、紹介が増えることにもつながると、改めて感じています。

ぜひあなたも「退会率を下げるポイント」を、今日から取り入れてみてくださいね!

それでは今日はこの辺で。

PS.あなたのお悩みお聞かせください!

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解決策が見えない課題に立ち向かうお手伝いが必要なら、無料で個別相談が可能です!

  • 集客や広告の苦手な経営者
  • クラブ運営に悩むスポーツ教室経営者
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など、どんなに小さなことでも構いません。お気軽にご相談いただければと思います。

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